ゆめほっと第486号(2013/09/20掲載) コラム 2014年05月14日 ハハ歯のはなし85 「よく噛むことのなんと素晴らしいこと」 「食事の時は一口に30回以上噛みましょう」とはよく言われることですが、「そんなん無理や」と思ってしまう私。先日、ある学会で女医さんがされたお話を書きます。 時は戦後間もない日本がまだ焼け野原の頃、その女医さんのお父さんも町医者でした。彼はいつもの往診先で「先生、うどん食べていって」と勧められてご馳走になり、あとで「しまった!」と思いました。その家に腸チフスの患者がいたのです。 案の定、彼も腸チフスになりました。当時は抗生物質も無く、 命を落とすこともあったでしょう。それからは何を食べても下痢をするようになりました。そんなある日、彼は気付きます 「自分の唾を飲み込んで下痢する人はいないな」と。その日から彼は一口100回以上噛んで、食べ物をぐだぐだの唾のようにして飲み込むようにしました。すると症状はしだいに改善してきて、半年後には腸チフスも治りました。そんな経験をした彼は娘に健康法として“とにかくよく噛むこと”を教えたそうです。 “よく噛むことのなんと素晴らしいこと” [1回]PR